【全3回・第3回】接続・認証・更新・権限・初動の5項目を確認。保守会社へ送れる依頼文も掲載します。

【フランス冷蔵設備サイバー事故シリーズ・第3回/全3回】情報確認日:2026年10月16日
フランスの冷蔵設備への攻撃から得られる教訓は、「初期パスワードを変更すれば終わり」ではありません。設備への接続方法、更新状況、異常時の対応まで確認する必要があります。経営者が一人で設定を変更するのではなく、設備担当者と保守会社に次の5項目を確認してください。
① 管理画面をインターネットに直接公開しない
保守会社へ「管理画面が誰でも到達できる状態になっていませんか」と確認します。CERT-FRは対象機器のインターネット公開を解消し、安全なVPNや保護されたネットワークを通じた接続にするよう案内しています。遠隔監視を止めると警報の通知などに影響する場合があるため、設備の運転と監視を維持する方法を保守会社と調整します。
② 初期パスワードと共有アカウントを見直す
「導入時のパスワードが残っていないか」「複数店舗で同じものを使っていないか」「退職した担当者が接続できないか」を確認します。設定変更は担当者を決め、機器が対応する範囲で十分に長く固有のパスワードを使います。接続サービスが多要素認証に対応する場合は、その利用も確認しましょう。
③ 更新とサポート終了日を確認する
機種名、現在のソフトウェアのバージョン、修正の適用状況、サポート期限を一覧にします。認証自体に欠陥がある場合、パスワードの変更だけでは解消できません。更新の前には、設備への影響と復旧方法をメーカー・保守会社へ確認します。修正が提供されない機器は、接続制限と計画的な交換を検討します。
④ 遠隔保守の権限と接続経路を整理する
誰がどの設備へ接続できるかを一覧化し、不要な権限や接続を見直します。メーカーは設備を別ネットワークに配置することも推奨しています。事務用パソコンや来客用Wi-Fiと設備のネットワークがどう分かれているか、保守会社とIT担当者に確認しましょう。VPNも導入だけで安心せず、更新や認証の管理が必要です。
⑤ 異常時に動ける人と手順を決める
温度異常を誰が受け取り、夜間は誰へ連絡し、誰が商品の移動や営業判断をするのかを決めます。温度設定だけでなく、霜取りの時間帯や警報設定も確認対象です。不正操作が疑われるときは、人と商品の安全を優先し、画面や時刻を記録して保守会社へ連絡します。初期化や再接続は独断で行わず、復旧と原因調査を調整してください。
保守会社へ送る確認依頼文
「当社で使用している遠隔監視・制御機器について、①管理画面のインターネット公開の有無、②初期パスワード・共有IDの使用状況、③更新状況とサポート期限、④接続できる担当者と接続方法、⑤異常時・夜間の連絡体制をご確認ください。未対応項目は、対応方法、担当者、実施予定日をご回答いただけますと幸いです。」
回答を受け取ったら、未対応項目ごとに「誰が・いつまでに・何を確認するか」を一つずつ決めましょう。「確認中」のままにせず、完了した日を残すことで、次の点検につながります。
防災ラボでは、企業のサイバーリスクへの備へやご相談を承っております。自社で整理すべきことに迷った際は、当サイトのお問い合わせ窓口からご相談ください。
出典
シリーズの記事
第1回:サイバーリスクの現実|フランスのスーパーで冷蔵設備が不正操作、食品廃棄へ
第2回:サイバーリスクの侵入口|冷蔵設備はなぜ狙われた?IoTの遠隔管理と認証の弱点
第3回:この記事
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サイバーリスクの対策|初期パスワードの変更だけで十分?IoT設備を守る5つの確認
26/10/16
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