【全3回・第2回】遠隔管理画面の公開、機器検索サービス、認証の弱点を、確認済みの事実と分けて説明します。

【フランス冷蔵設備サイバー事故シリーズ・第2回/全3回】情報確認日:2026年10月16日
冷蔵設備は店舗の中にあるのに、なぜ外部から操作されるのでしょうか。ポイントは、設備の置き場所ではなく、遠隔管理の入口がどこまで開かれているかです。今回の全ての被害で同じ侵入手口が使われたと確認できているわけではありません。ここでは公的な注意喚起と、関連製品の研究で判明した弱点を分けて説明します。
IoTと遠隔管理の入口
IoTとは、機器をネットワークにつなぎ、情報を集めたり操作したりする仕組みです。業務用の冷蔵設備では、温度や霜取り運転を管理する制御機器が使われます。こうした設備制御はOTとも呼ばれ、パソコンの情報管理に加えて、現実の機械を安全に動かす視点が必要です。
遠隔保守のための管理画面がインターネットに直接公開されていると、保守会社以外もその入口へ到達できるおそれがあります。CERT-FRも、管理画面のインターネット公開は適切な運用に反すると注意しています。
どうやって機器が見つかるのか?
Shodanは、インターネットに接続された機器やサービスの公開情報を検索できるサービスです。自社の機器が外部に見えていないかを調べるなど、防御側も利用します。機器が見つかることと、実際に侵入できることは別ですが、管理画面の公開は攻撃の足掛かりになり得ます。
「会社のURLを知られていなければ安全」とは限りません。公開された機器の応答から、製品やサービスに関する情報が把握される場合があるためです。
初期パスワードの問題だけではない
初期パスワードの放置は確認すべき問題ですが、関連製品には、それとは別の弱点も報告されています。Claroty Team82はDanfoss AK-SM 800Aの研究で、通常の管理者パスワード確認を回避できる認証上の問題などを公表しました。日付に基づく別の認証コードを生成する仕組みに関係し、単に「利用者が初期パスワードを変えなかった」という説明では足りません。
これは関連製品で確認された脆弱性の説明です。今回の事故全体の侵入原因として断定するものではなく、対象機種や修正状況を個別に確認する必要があります。
自社で確認したい入口と更新状況
まずは保守会社へ、「設備の管理画面がインターネットに直接公開されていないか」「安全な接続方法を使っているか」「必要な修正プログラムが適用されているか」を確認しましょう。関連製品で報告された脆弱性については、自社の機種とバージョンが対象になるかをメーカーや保守会社に確認することが重要です。
次回は、パスワードの管理も含め、保守会社へ依頼できる対策を5項目に整理します。
出典
Claroty Team82:Danfoss冷蔵設備コントローラーの脆弱性研究
シリーズの記事
第1回:サイバーリスクの現実|フランスのスーパーで冷蔵設備が不正操作、食品廃棄へ
第2回:この記事
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26/10/16
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